生活習慣改善の重要性

高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満・メタボリックシンドロームなどの生活習慣病は、食事、運動、喫煙、飲酒などの習慣が深く関わる疾患です。これらは自覚症状が乏しいまま進行することが多く、気づいた時にはすでに重篤な合併症を引き起こしている場合もあります。
生活習慣病の予防と管理においては薬物療法も重要ですが、根本的な解決には生活習慣そのものの改善が不可欠です。適切な食事や運動などの健康的な生活習慣を身につけることで、発症自体の予防が可能になります。
大船・横浜市栄区の小笹医院では、あなたの現在の状態だけではなく、5年後、10年後の健康も見据えた生活習慣の改善をサポートしています。
循環器専門医による専門的な管理の重要性
生活習慣病の大きな問題は、動脈硬化を促進させることです。高血圧、糖尿病、脂質異常症などが進行すると血管の柔軟性が失われ、心筋梗塞や脳卒中といった生命に関わる重篤な合併症を引き起こす危険性が高まります。
循環器内科は心臓と血管を専門とする診療科であり、動脈硬化の進行度合いや心血管リスクを正確に評価することができます。当院では循環器専門医が、単に数値を改善するだけでなく、将来的な心血管疾患の発症を防ぐことを重視した包括的な管理を行います。
生活習慣改善のためのポイント
長年の生活習慣を自力で変えることは、意外と難しいものです。以下のポイントを意識して、医師と相談しながら進めていきましょう。
運動習慣
定期的な運動は、血圧や血糖値の改善、体重管理、心肺機能の向上など、様々な効果をもたらします。しかし、運動習慣のない方がいきなり激しい運動を始めるのはかえって危険です。まずは日常生活の中で体を動かす機会を増やすことから始めましょう。
- エレベーターやエスカレーターの代わりに階段を使用する
- 近距離の移動は徒歩や自転車を選ぶ
- 通勤時に一駅分歩く
- テレビを見ながら簡単なストレッチや筋トレする など
上記の習慣に慣れてきたら、有酸素運動(ウォーキング、水泳、サイクリングなど)も取り入れます。週3~5回、1回30分程度が一般的な目安となりますが、ライフスタイルなどを考慮して調整します。
食生活
バランスの取れた食事は、生活習慣病予防の基本です。以下のポイントを心がけましょう。
塩分を控えめにする
日本人の食事摂取基準では、1日の塩分摂取目標量は男性7.5g未満、女性6.5g未満(※)とされています。醤油や味噌などの調味料を減らし、香辛料や酢を使って風味を加える工夫をしましょう。
(※)すでに高血圧を指摘されている方は、1日6g未満が目安となります
油っぽい食事を避ける
動物性の脂肪(肉の脂身、バター、生クリームなど)を控え、植物油や魚油を適量摂取しましょう。調理法も揚げ物よりも蒸す、煮る、焼くなどの方法を選ぶと良いです。
また、魚油にはコレステロールを低下させる働きがあるので、主菜にはEPA・DHAを多く含む青魚がおすすめです。
食物繊維やたんぱく質をしっかり摂る
食物繊維やビタミン、ミネラルを豊富に含む野菜や果物、良質なタンパク源である大豆製品などをバランス良く摂取しましょう。
禁煙
喫煙はがんや心臓病、脳卒中、COPD(慢性閉塞性肺疾患)など、多くの疾患のリスク因子です。特に生活習慣病をすでにお持ちの方は、喫煙によりリスクがさらに高まりますので、禁煙を目指しましょう。
適度な飲酒
過剰な飲酒は、高血圧や脂質異常症、肝疾患などのリスクを高めます。適量の目安は、純アルコールで1日20~25g程度(日本酒なら1合、ビールなら中瓶1本、ワインならグラス2杯程度)です。
また、週に2日以上の休肝日を設けることも大切です。「百薬の長」と言われるアルコールも、適量を超えれば「百害あって一利なし」となります。
ストレス管理と十分な睡眠
ストレスは食欲増進や過食、飲酒量増加などにつながるため、生活習慣病の悪化因子となります。趣味や軽い運動、カラオケなど、自分に合ったストレス解消法を見つけましょう。
また、質の良い睡眠は心身の健康に不可欠です。毎日同じ時間に起床・就寝する、寝る前の強い光(特にブルーライト)を避ける、カフェインの摂取を控えるなどの工夫が効果的です。
なお、睡眠時無呼吸症候群(SAS)によって睡眠の質が損なわれている場合は、適切な治療が必要です。
