高血圧とは?

高血圧とは、血圧が慢性的に基準値(140/90mmHg以上)を超えている状態を指します。高血圧は自覚症状がほとんどないため、気づかないうちに全身の血管に負担をかけ続けます。放置すると動脈硬化が進行して、心筋梗塞や脳卒中、腎不全などの深刻な合併症を引き起こす可能性があるため、早期発見と適切な管理が重要です。
大船・横浜市栄区の小笹医院では、高血圧の診断から治療、長期的な管理まで一貫してサポートしています。循環器専門医である院長が詳細な問診と検査を行い、あなたの状態や生活背景に合わせた最適な治療プランをご提案します。血圧が気になる方は、ぜひお気軽にご相談ください。
高血圧の合併症
高血圧を放置すると、動脈硬化が進行して、以下の重篤な合併症が発生するリスクが高まります。
- 心筋梗塞や狭心症などの心臓病
- 脳梗塞や脳出血などの脳の病気
- 慢性腎臓病から人工透析が必要な腎不全への進行
- 眼底出血による視力障害や失明
- 大動脈瘤や大動脈解離など血管の病気(大血管疾患)
など
循環器専門医による管理の重要性
高血圧は心臓と血管に強い負担をかけ続ける病気ですので、将来的な合併症のリスクを考慮した治療が必要となります。そのため、心臓や血管の専門家である循環器内科医による適切な管理が重要です。
高血圧の診断基準
血圧は心臓が収縮して血液を送りだすときの圧力(収縮期血圧・上の血圧)と、心臓が拡張して血液を受け入れるときの圧力(拡張期血圧・下の血圧)で示され、基本的に140/90mmHg以上の状態が高血圧に該当します。
ただし、正常の範囲内でも120/80mmHg以上であれば少なからず健康上のリスクが存在しますので、高血圧に該当しないからと安心しないようにしましょう。
| 分類 | 収縮期血圧=上の血圧(mmHg) | 拡張期血圧=下の血圧(mmHg) |
|---|---|---|
| 至適血圧 | 120未満 | 80未満 |
| 正常血圧 | 130未満 | 85未満 |
| 正常高値血圧 | 130~139 | 85~89 |
| Ⅰ度高血圧 | 140~159 | 90~99 |
| Ⅱ度高血圧 | 160~179 | 100~109 |
| Ⅲ度高血圧 | 180以上 | 110以上 |
※診察室で測定した場合の数値です(診察室血圧)
高血圧の種類と原因
高血圧は、大きく分けて原発性高血圧と二次性高血圧の2種類があります。
原発性高血圧
原発性高血圧は明確な原因が特定できない高血圧で、全体の大多数を占めます。遺伝的要因と環境因子が複雑に絡み合って発症すると考えられており、塩分の過剰摂取、肥満、運動不足、喫煙、過度の飲酒、ストレスなどの生活習慣が大きなリスク因子となります。
また、糖尿病や脂質異常症など、他の生活習慣病との合併にも注意が必要です。
二次性高血圧
二次性高血圧は腎臓病や内分泌疾患(原発性アルドステロン症など)、睡眠時無呼吸症候群(SAS)といった特定の疾患が原因で発症する高血圧です。この場合、原因となる疾患の治療により血圧が改善することもあります。
高血圧の検査と診断
高血圧の診断は、前述の「高血圧の診断基準」でご紹介した基準に沿って行います。
血圧は環境や心理状態、時間帯によって変動するため、診断には複数回の測定が必要です。また、高血圧の原因特定や血管・臓器への影響を評価するため、心電図、胸部レントゲン検査、血液検査、尿検査、眼底検査などを行うこともあります。
高血圧の治療
長期にわたる高血圧は、脳卒中や心筋梗塞といった深刻な疾患を引き起こすリスクを高めるため、これらを防ぐことが治療の目標となります。治療アプローチは大きく2つで、まずは生活習慣の見直し、それから必要に応じて薬物療法が行われます。
生活習慣の改善
高血圧の原因となる生活習慣を改善します。
- 減塩:1日6g未満を目標にします。調理時はもちろん、加工食品の隠れ塩分に注意しましょう
- 運動:適度な運動習慣を日常に取り入れます。毎日30分以上の有酸素運動が目標です
- 禁煙・節酒:喫煙や過度な飲酒は、血圧を上昇させて動脈硬化を促進します
- 体重管理:肥満は高血圧の大きな危険因子です。BMI(体格指数)が25未満になるよう体重管理を心がけましょう
薬物療法
生活習慣の改善のみでは適切な血圧コントロールができない場合に検討します。血圧を下げる降圧薬を患者様の年齢、合併症、生活習慣などを考慮して選択・処方します。必要に応じて作用機序の異なる複数の薬剤を組み合わせることもあります。
原因疾患の治療
腎臓病や内分泌疾患、睡眠時無呼吸症候群などによる高血圧(二次性高血圧)の場合は、血圧コントロールと並行して原因となる疾患の治療を行います。この場合、原因疾患が治癒すれば高血圧も改善することが多いです。
高血圧予防と日常生活での注意点
治療の項目でご紹介した「生活習慣の改善」は、予防においても重要です。塩分の過剰摂取、肥満、運動不足、喫煙・飲酒習慣の見直しに加えて、以下にも注意しましょう。
定期的な血圧測定
- 家庭用血圧計を使用して毎日同じ時間帯に測定する
- 年に1回は健康診断を受ける
など
ストレス管理
- 十分な休息とリラクゼーションの時間を確保する
- 趣味や楽しみを持つ
- 睡眠の質と量を確保する
など
