こころと胸痛の関係

胸痛は心臓や肺の異常だけではなく、しばしば心理的要因も関与します。ストレスによる自律神経のバランスの乱れから筋肉の緊張や過呼吸状態を誘発して、結果として胸の痛みとして自覚するのです。
大船・横浜市栄区の小笹医院では、心療内科・精神科の経験が豊富で、循環器専門医でもある院長が胸痛を身体的原因と心理的要因の両面から評価します。原因不明の胸痛でお悩みの方は、一度当院へご相談ください。
心療内科・精神科における胸痛の位置づけ
身体的検査で明らかな異常が見られないにもかかわらず持続する胸痛を「非心臓性胸痛(NCCP:Noncardiac Chest Pain)」と言います。これは機能性身体症候群の一種として捉えられることもあり、実際の痛みを感じているにもかかわらず器質的な原因が見つからないため、従来の診療では適切な対応が難しいケースです。
心身両面からの診断・治療が必要になりますので、当院の心療内科・精神科では以下のようなアプローチで胸痛に対応しています。
循環器内科との連携
まず心臓由来の痛みを除外するために、必要に応じて心電図や心エコー検査を実施します。
痛みの「質」の詳細な分析
刺すような痛みか、締め付けられるような痛みかなど、痛みの性質を詳しく評価することで原因の特定につなげます。
ストレス要因の階層的分析
職場、家庭、人間関係など、様々な側面からストレス要因を分析して、症状との関連性を探ります。
受診のタイミング
以下に該当する場合は、早めの受診をおすすめします。胸痛の原因を的確に見極めて、適切な治療方針をご提案します。
心療内科・精神科への受診を推奨するケース
- 他の医療機関で検査をしても異常がないと言われたが痛みが持続する
- ストレスを感じた後に症状が悪化する
- 鎮痛剤が効かないことがある など
即時に救急受診が必要なケース
以下のような症状がある場合、心臓や肺に器質的な異常が生じている可能性が高いです。
緊急性が高いので、救急車の要請もご検討ください。
- 冷や汗を伴う胸部の圧迫感
- 左肩や顎に放散する痛み
- 10分以上持続する激しい胸痛
- 呼吸困難や意識障害を伴う場合 など
主な胸痛のタイプと原因
胸痛でまず疑われるのは、狭心症や心筋梗塞などの心臓の病気です。これら以外の胸痛の原因として、以下のようなものが挙げられます。
心因性胸痛
胸部にチクチクした痛みや不快感があり、数秒から数分間持続することが多いです。深呼吸をすると痛みが増強することもありますが、心電図などでは特に異常が見られないのが特徴です。
主な原因
- パニック発作に伴う過換気症候群
- 抑うつ状態に関連する症状(心理的苦痛が身体症状として現れる)
- 自律神経失調による食道の運動異常や痙攣
- ストレスによる胸壁筋の緊張 など
筋骨格系胸痛
特定の姿勢や動作で悪化する持続的な痛みが特徴です。激しい運動や長時間の同じ姿勢、強い外圧などが原因で、肋間神経痛や肋軟骨炎などがこのタイプに含まれます。
主な原因
- ストレスによる姿勢の悪化や筋緊張(特にデスクワークが多い方)
- 咳の繰り返しによる肋間筋の損傷
- 運動や外傷による胸壁の軽度の損傷 など
その他の胸痛
心因性・筋骨格系以外では、食道や肺など様々な部位の異常によって胸痛が起こることもあります。特に胃食道逆流症(GERD)は、NCCPの原因として比較的よく見られます。
- 胃食道逆流症(逆流性食道炎):胃酸が食道に逆流することによる胸焼けや痛み
- 肺の疾患:肺炎や気胸など(緊急性が高い場合が多い)
- 帯状疱疹の前駆症状:発疹が出る前に片側の胸部に沿った痛みとして現れることがある など
小笹医院でのアプローチ
心因性胸痛の根本から治療
当院では、心因性胸痛に対して根本的な完治を目指すアプローチを行っています。院長が解明した精神医学の原理により、不安やストレスによる自律神経の乱れや筋緊張が生じる原因を特定し、その原因を根本から解消することで症状の再発を防ぎます。
不安・ストレスを抑制
心因性胸痛の背景にある不安やストレス発生のメカニズムを、院長は科学的に解明しています。なぜ不安が生じるのか、ストレスがどのような原理で発散されるのかを理解することで、症状の根本原因を取り除き、症状の根本的な改善を目指します。
薬に頼らずに症状を改善
院長が解明した精神医学により心因性胸痛の根本原因が正確に特定でき、適切な治療によって症状発生の原因そのものが解消されるため、薬物療法は補助的な使用に留めることができます。
薬を使用する際も段階的な減薬を行い、薬から完全に解放された状態での症状完治を目指します。
