不整脈とは?

不整脈は、心臓の拍動のリズムや速さが正常から逸脱した状態を指します。正常な心拍数は安静時に50~100回/分ですが、これより速い(頻脈)、遅い(徐脈)、または不規則になる場合を不整脈と言います。無症状なこともありますが、不整脈には脳梗塞や心疾患などのリスクを高めるものがありますので、注意が必要です。
大船・横浜市栄区の小笹医院では、循環器専門医である院長が不整脈の診断から治療方針の決定まで一貫して対応しております。動悸やめまいなどの症状がある方や、心電図で異常を指摘されている方は、お早めにご相談ください。
不整脈の種類と症状
頻脈性不整脈(心拍数が速くなる不整脈)
脈拍数が異常に速くなる(1分間に100回以上)タイプの不整脈です。動悸や冷や汗のほか、悪化すると意識障害を起こすこともあります。
心房細動
心臓の心房という部位が不規則に細かく震える状態で、不整脈の中では特によく見られます。脈が乱れ、「脈の欠け」や「不規則な脈」として感じられます。この状態が続くと脳梗塞のリスクが2~5倍に上昇するため、適切な管理が重要です。
心室頻拍
心室が異常に速く収縮する状態で、突然の動悸やめまい、胸部不快感などの症状が現れます。重症例では意識消失や突然死につながることもある危険な不整脈です。
徐脈性不整脈(心拍数が遅くなる不整脈)
頻脈性不整脈とは反対に、心拍数が遅くなる(1分間に50回未満)タイプの不整脈です。血液が不足して、めまいや息切れなどの症状が現れます。重度の場合には失神が起こることもあります。
洞不全症候群
心臓のペースメーカー機能を持つ洞結節の障害により、脈が突然停止(5~10秒程度)したり、異常に遅くなったりします。
房室ブロック
心房から心室への電気信号の伝達が障害された状態です。軽度なものから完全に信号が遮断される重度のものまでがあり、重症例では失神や心不全の原因となることがあります。
期外収縮
上室性期外収縮または心室性期外収縮として現れて、通常の心拍の間に余分な拍動が入る状態です。無症状であるケースが多いですが、胸痛や胸部の不快感として自覚されることもあります。頻度が高い場合や、基礎心疾患がある場合は注意が必要です。
不整脈の検査と診断
不整脈の診断のために、以下のような検査を行います。
基本検査
安静時心電図
短時間の心電図記録で、検査時に不整脈が出現していれば診断できます。ただし、発作性の不整脈は検査時に症状がなければ捉えられないことがあります。
24時間ホルター心電図
小型の心電計を24時間装着して、日常生活中の心電図を連続記録する検査です。発作性の不整脈や睡眠中の不整脈を捉えるのに有用です。
運動負荷心電図
運動中の心電図波形を記録します。運動によって誘発される不整脈の診断に役立ちます。
精密検査
心臓電気生理検査(EPS)
カテーテルを用いて心臓内部の電気的活動を直接記録して、不整脈の機序や発生部位を詳細に調べます。
心臓CT/MRI
心臓CTではX線を、心臓MRIでは磁力を使って心臓の断面写真を撮影します。これにより心臓の構造的異常や疾患の有無を評価します。
※当院で行っていない検査については、専門機関をご紹介します
不整脈の治療
不整脈の治療方法は、種類や重症度、患者様の状態によって異なります。
薬物療法
不整脈の発生や持続を抑制する抗不整脈薬や、血液をさらさらにする抗凝固薬を使用します。他の治療と併用することも多いです。
カテーテルアブレーション
不整脈の原因となる心筋組織を、カテーテルを用いて高周波電流で焼く(あるいは凍結する)方法です。これにより不整脈の原因となる異常な電気信号が心臓全体に広がらないようにします。
ペースメーカー
人工的に心臓を動かす装置を体内に植え込む治療方法です。主に徐脈性不整脈の患者様に適応されます。
※当院で行っていない治療については、専門機関と連携して対応いたします
受診の目安
以下のような症状や状況がある場合は、不整脈の可能性があります。当院では、患者様の症状や検査結果に基づいて、適切な診断と治療方針をご提案いたします。重症度の高い不整脈や特殊な治療が必要な場合には、専門機関と連携して対応いたします。
- 動悸が1分以上持続する
- 失神や眼前暗黒感(目の前が急に暗くなる感覚)を経験したことがある
- 安静時の脈拍数が50回/分未満、または100回/分以上
- 安静時の動悸が頻繁にある
- 動悸とともにめまいや冷や汗がある
- 健康診断などで心電図異常を指摘された など
