狭心症とは?

狭心症は、心臓に血液を送る冠動脈が狭くなり、心筋への血流が一時的に不足することで起こる疾患です。発作的に起こる胸痛や胸の圧迫感が特徴ですが、基本的には一過性のものであり、数分程度で自然に治まります。しかし、放置すると心筋梗塞に進展するリスクがあるため、早期発見・早期治療が重要です。
大船・横浜市栄区の小笹医院では、循環器専門医である院長が狭心症の診断から治療まで一貫して対応しております。狭心症が疑われる症状がある方、心電図で異常を指摘されている方は、お早めにご相談ください。
狭心症の症状
胸痛・胸の圧迫感
胸の中央や胸骨の裏側に、痛みや締め付けられるような圧迫感が生じます。心臓に負担のかかる行動をとった時に症状が起こりやすく、階段を上った時、重い荷物を持った時、暖かい室内から寒い屋外へ出た時などが典型的な発症例です。
症状が続くのは長くても数分程度で、自然に消失します。10分以上続く場合は心筋梗塞の可能性があり、緊急受診が必要です。
発症パターン
狭心症は、発作の条件によって以下の3つに分けられます。
安定性狭心症(労作性狭心症)
体を動かした時(階段の上り下りや坂道の歩行など)に起こりやすく、安静にすると症状が治まります。
冠攣縮性狭心症
冠動脈の一時的な痙攣が原因で、夜間や早朝時に発作が起こることが多いです。
不安定狭心症
労作時だけではなく、安静時にも発作が起こります。発作の頻度や強さが増すこともあり、心筋梗塞を誘発する危険性が高い状態です。
狭心症の原因
狭心症の主な原因は、冠動脈の動脈硬化です。動脈硬化は血管の弾力が失われた状態で、内腔にプラークが溜まって狭くなっている状態です。動脈硬化を起こした血管は正常に血液が流れないため、周辺の組織が酸素不足に陥ります。これが冠動脈で起こることで狭心症を誘発します。
主に以下の因子が動脈硬化を促進し、狭心症のリスクを高めます。
- 高血圧
- 脂質異常症
- 糖尿病
- 肥満
- 喫煙
- 加齢
- 運動不足
- ストレス など
狭心症の検査と診断
心電図
狭心症発作時には特徴的な心電図波形(ST部分の低下など)が見られますが、安静時には正常なことも多いです。症状のある時の受診が重要で、過去の心電図と比較することで、より正確な診断が可能になります。
運動負荷心電図
運動中の心電図波形を観察する検査です。労作性狭心症の診断に役立てます。
心エコー検査(超音波検査)
超音波を用いて心臓の状態を調べます。狭心症に伴う壁運動の異常や弁膜症の有無を評価できます。
冠動脈造影検査(カテーテル検査)
手首や足の付け根からカテーテルを挿入して、直接冠動脈に造影剤を注入して撮影します。冠動脈の狭窄を正確に評価できるため、狭心症の確定診断として実施されます。
※当院で行っていない検査については、専門機関をご紹介します
狭心症の治療
狭心症の治療は、症状の軽減、発作予防、そして心筋梗塞への進展防止を目的として実施します。動脈硬化が原因となっているケースが多いため、その因子となる生活習慣病の管理も同時に行うことが多いです。
薬物療法
症状や状態に応じて、以下のような薬を使用します。
- ニトログリセリン:発作を抑えるための緊急処置として使用する舌下錠
- 硝酸薬・カルシウム拮抗薬:冠動脈を拡張させ、血流を改善
- β遮断薬:心拍数と血圧を下げ、心臓の酸素需要を減少させる
- 抗血小板薬:血栓形成を予防 など
カテーテル治療(経皮的冠動脈形成術)
重度の狭窄がある場合、カテーテルを用いてバルーン拡張やステント留置を行い、冠動脈の内腔を広げます。
生活習慣の改善
狭心症と診断された場合、心臓に負担をかけ過ぎない生活を送ることも重要です。日常生活では以下を意識しましょう。
- 心臓に負担をかけない:カフェインの摂りすぎ、急な温度変化などに注意
- 禁煙:喫煙者は必ず禁煙しましょう
- 適度な運動:医師の指導のもと、適切な運動療法を行う
- 体重管理:肥満がある場合は適正体重を目指す
- ストレス管理:ストレスを溜めない工夫をする など
※当院で行っていない治療については、専門機関と連携して対応いたします
